歯ぐきや骨が失われたら、元に戻せない?
歯周病が進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)や周囲の組織が少しずつ破壊されていきます。一度失われた歯周組織は、基本的には自然に元には戻りません。しかし、近年では「歯周再生療法」によって、ダメージを受けた組織の再生を促す治療が可能になっています。失われた骨を回復させ、歯をできるだけ長く残すための大切な選択肢です。
歯周再生療法とは?
歯周再生療法とは、歯周病によって溶けてしまった骨や結合組織などの歯周組織を、特殊な材料や処置によって再生を促す治療法です。主に中〜重度の歯周病で、歯は残せそうだが骨が大きく失われている場合などに適用されます。この治療によって、歯の寿命を延ばし、将来的な抜歯リスクを減らすことが期待できます。
こんな方に適しています
歯周再生療法は、以下のような状態の方に検討されます。
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歯周病で骨の破壊が進んでいる
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歯がグラついているが、抜きたくない
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将来的にインプラントを避けたい
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治療を受けても歯周ポケットが改善しない
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まだ若く、歯を長く残したいと考えている
ただし、再生療法には条件があります。すべての歯に適応できるわけではなく、骨の形状や汚染の程度によっては適応外となるケースもあります。
歯周再生療法の種類と特徴
歯周再生療法には様々な種類と特徴があります。当院では、それぞれの症例に応じて、最適な方法をご提案します。
エムドゲイン法
「エムドゲインゲル」というタンパク質を歯の根元に塗布し、歯が発育する環境を再現して組織の再生を促します。ヨーロッパを中心に長年使用されており、安全性と効果が確立されています。
メリット
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自然な治癒力を活かした再生
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術後の痛みや腫れが少ない
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アレルギーの心配が少ない
デメリット
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保険適用外(自由診療)
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骨の欠損形態によっては効果が得られにくい
リグロス(保険適用)
「リグロス」は、日本で開発された歯周組織再生用の薬剤で、歯根膜の細胞増殖を促し、組織の修復を図ります。2016年に保険適用となり、比較的費用を抑えて再生療法を受けられるのが特徴です。
メリット
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保険適用で治療費を抑えられる
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国内での実績があり、安全性が高い
デメリット
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適応症例が限定的(垂直性骨欠損など)
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効果が得られるまでに時間がかかることもある
GTR法(メンブレン法)
メンブレンという特殊な膜でスペースを作り、歯周組織が再生するための環境を整える治療法です。骨や組織が再生されるまで、他の組織が入り込まないようブロックすることが目的です。
メリット
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多くの再生実績がある治療法
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再生の程度をコントロールしやすい
デメリット
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保険適用外(自由診療)
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場合によっては2回の手術が必要になることも
費用・治療期間・注意点
治療期間の目安
再生療法の多くは、事前の歯周基本治療を終えた後に実施します。治療から再評価までを含めると、数ヵ月〜半年程度の期間が必要です。
費用の目安
リグロス法(保険診療)
3割負担で数千円程度〜
メリットエムドゲイン法・GTR法(自由診療)
1本あたり約5万〜10万円(税込・自費)
※症例によって費用は変動します。詳細はカウンセリング時にご説明いたします。
リスクと注意点
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治療後のセルフケアが不十分だと再発のリスクがあります
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喫煙・糖尿病などがある方は効果が得にくい場合があります
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治療後に一時的な腫れや出血を伴うことがあります
当院でのサポート体制
なかた歯科クリニック御池では、再生療法を行う際には、以下のような体制を整えています。
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詳しい検査と診断をもとに適応症を慎重に判断
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モニターや口腔内写真を用いたわかりやすい説明
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術後のセルフケア・メンテナンス指導を継続的に実施
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患者様のご希望と納得を第一に、治療方針を決定
再生療法は万能な治療ではありませんが、適切な症例に対しては非常に有効な選択肢です。無理な治療の提案は行わず、まずは今の状態をしっかり確認するところから始めます。
「抜かずに残す」ための選択肢を
「歯をできるだけ残したい、抜歯を避けたい」そんなお気持ちに応えるのが、歯周再生療法です。まずは検査を通じて、どんな治療ができるか、どこまで回復が見込めるかを一緒に見ていきましょう。
気になる症状がある方は、なかた歯科クリニック御池まで、どうぞお気軽にご相談ください。




